糖質制限ダイエットに出会う

そうした不規則な生活のツケが、ある日、旦那に襲いかかった。そして、糖尿病に高血圧症、メタボリックシンドローム、脂質異常症、肝機能の悪化という、まさに「死に至る四重奏」を奏でることになったのだ。

この時、悩む旦那に、神が降りてきた。

(そういえば、あの雑誌に糖尿病の記事が載っていたな)

旦那が思い出したのが雑誌の健康特集だった。

ちょうど同じ号で、旦那自身がアルツハイマー病治療の最新動向の取材記事を書いており、その巻頭に、作家の宮本輝氏が「糖質制限食」という食事療法で糖尿病を克服しているという記事が出ていたのを思い出したのだ。

同じ作家で、執筆が続く中でも行なえる糖尿病治療という点が(これなら自分にも出来るかもしれない)と思わせた。

しかし、いきなり新たな「健康法」に飛びつくのもどうかという思いが最初は旦那をためらわせた。

その夜は仕方なく、病院でもらった「生活習慣病治療」や糖尿病の合併症状に関するパンフレットを読んでいた。すると糖尿病が如何に怖しい病気か次第に分かってきた。同時に怖くなってきた。

(やはり、すぐに痩せないとマズい、仕事も出来なくなる)

その時、フッと旦那の心をよぎったのが、糖尿病になる前、何度か執筆したことのある食雑誌で、『満腹ダイエット』という別冊を出していることだった。その別冊で一冊丸ごと「糖質制限食」を特集していたのだ。

(よしこれをやってみるか)。旦那は思いきって、旧知の編集長に電話をかけてみた。「御無沙汰しています。実は、ちょっと御相談があって電話したんですが、私、糖尿病になったみたいなんです」

「え、それは大変ですね」

「で、今、出されてる『満腹ダイエット』の糖質制限という食事療法をやってみようと思うんですが」

「まだ、学界では異端視されているんですが、やってみますか」

そう言った翌日、編集長は『満腹ダイエット』と、日本における糖質制限食の提唱者である医師の著書を、宅配便で送ってくれた。

タイミングよく糖質制限ダイエットを始める準備が整ったのである。